ドメインジャック?
Website Explorer 誕生のきっかけとなったサイト「電脳レストハウス梅ちゃん堂」は、最初のぷらら時代も含めれば20年以上続き、独自ドメインに移行してからも20年近く経っていて、自分の分身のようなサイトでしたが、昨年2020年3月に終了し、umechando.com のドメインも廃止しました。
しばらくの間は http://www.umechando.com/ にアクセスを試みても、WWWブラウザでは「このサイトにアクセスできません。」「www.umechando.com という名前のサーバーに接続できません。」と表示されるだけだったので問題ありませんでしたが、 梅ちゃん堂の表示が変だよという連絡を複数の方から受け、見てみると確かに以前とは全く違う www.umechando.com のページが存在していたのです。(実際には www.umechando.com から umechando.com にリダイレクトされている模様。)
とりあえずコンタクトを取ってみようと、このサイトの「連絡先」に記載されているメールアドレスに期間を置いて何度も問い合わせてみましたが返信がありません。WHOIS 検索でドメイン所有者に連絡を試みてみましたが、やはり応答がありません。2021年4月16日現在、このサイトの所有者とは連絡がつかない状態です。返信できない理由があるのでしょうか。
驚いたことに、検索エンジンで「梅ちゃん堂」と検索してみると、このサイトがかなり高いランクでヒットするのです。Google だけでなく Bing や (Bing ベースの) DuckDuckGo でも同じで、Bing や DuckDuckGo では何と2位に位置付けられています。サイト名は「梅ちゃん堂」ではなく、Ume Chando という意味不明のタイトルです。このサイト内をググってみても、「梅ちゃん堂」の「梅」の字も見つからないようです。
なぜこうなるかは分かっていて、つまり多くのサイト等々が www.umechando.com を「梅ちゃん堂」としてリンクしているからです。検索結果のランク付けは、検索ワードとの適合度だけでなく、どれだけ多くの、そしてどれだけ影響力のあるリンク元からリンクされているかによっても決定付けられています。本来は検索結果の質を高めるために導入された、この方式が、このような検索ワードと適合しないサイトを高ランクにヒットさせているという現実は、検索エンジンの大きな欠陥であると言わざるを得ません。
もとより umechando.com というのは誰でも偶然に思い付くというような一般的なドメイン名ではなく、やはり「電脳レストハウス梅ちゃん堂」を知っていた人か、アクセスを取れそうな廃止ドメインを収集しているハイエナ業者から購入した人が使用しているものと思われます。
旧梅ちゃん堂サイト www.umechando.com には大手を含め様々なサイト、ブログ、ツイート、はてなブックマークや個人の端末内のブックマーク、お気に入りがリンクをはっていて、梅ちゃん堂が長い間に築いてきたウェブトラフィックの資産を言わば乗っ取る形で、その恩恵に預かろうとするわけですから、まさに濡れ手に粟というところでしょう。
現に運用されているドメインに対して行われるいわゆるドメイン名ハイジャックと異なり、すでに廃止されたドメイン名を第三者が新たに登録し使用することは法的には問題ないとしても、そのドメインが過去に蓄積したリンクを乗っ取る形でアクセス数を稼ぐやり方は、それまでのドメインの所有者にとっても、期待を裏切られた閲覧者にとっても大迷惑と言わざるを得ません。
梅ちゃん堂のドメインを廃止する際、このドメイン名が第三者に盗用されるのではないかという一抹の不安はありましたが、特別有名なサイトでも大手でもない梅ちゃん堂のドメイン名をまさか盗用する人はいないだろうと考えたのは今思うと不覚でした。こうした事態を避けるにはウェブサーバを解約後も維持費を払い続けてドメイン名を維持するしか手は無いのでしょうか。
ドメインをお持ちの皆さんは、こうした轍を踏まないようにお気を付けください。そして、現在の umechando.com は梅ちゃん堂とは無関係であることをご理解いただきたいと思います。
2021/11/18 更新