IE 11 のサポート終了とブラウジング問題

IE 11 のサポート終了とブラウジング問題

Internet Explorer 11、サポート終了へ

米 Microsoft は2021年5月19日(日本時間5月20日)、Internet Explorer 11 デスクトップ アプリケーションのサポートを2022年6月15日(日本時間5月16日)をもって終了し、Microsoft Edge を正式な後継ブラウザにすると発表しました。(参考:「Internet Explorer は Microsoft Edge へ – Windows 10 の Internet Explorer 11 デスクトップアプリは 2022 年 6 月 15 日にサポート終了」- Japan Windows Blog

この発表についてのFAQによれば、今回影響を受けるのは一般のPC向けの Windows 10 デスクトップ SKU(Stock Keeping Unit)バージョン20H2以降と、組み込み系OSである Windows 10 IoT(Internet of Things)バージョン20H2以降の2つで、共に半期チャネル (SAC) に属しています。 Windows 10 IoT と Windows 10 クライアントのLTSC(Long-Term Serving Channel 長期サービス チャネル)及び Windows 10 Server の全バージョン、それに Windows 8.1 と Windows 7 ESU(延長セキュリティ更新プログラム)はサポート終了の対象外となるそうです。

要するに一般の Windows 10 PCユーザーにとっては、あと1年ほどでWWWブラウザとしての Internet Eplorer(以下 IE)が使えなくなるということです。当初、ダントツの人気があった Netscape Navigator との2大ブラウザ戦争に勝ち、世紀の変わり目ごろに IE は世界でも圧倒的なシェアを得るに至りました。Netscape の後継と目される Mozillla Firefox が21世紀の最初の10年間にかなり追い上げるも、2008年に登場した Google Chrome がわずか数年で Firefox と IE を抜き去り、両者のシェアを吸収して現在、IE に代わるPC上の WWW ブラウザのトップに君臨しています。

IE を引き継いだ Microsoft Edge は巻き返して首位の座を奪還することができるのでしょうか?

Website Explorer への影響は?

ところで Website Explorer の「システム要件」には「Microsoft Internet Explorer ver.5 以上がインストールされていること(ブラウザ表示に必要)」と書かれています(追記:Ver.0.9.9.22から削除されました)。ここでいうブラウザとは Website Explorer のメイン画面で Web ページなどを表示するペインのことです。(「ビューア」と呼ぶこともあります。)

一般向け Windows 10 PCで IE 11 のサポートが終了したら、この条件が満たされなくなるのではないか?

Website Explorer のブラウザ表示に必要なHTMLレンダリングエンジンはMSHTML (Trident) で、これは前記 Windows Blog の発表によれば今回のサポート終了の影響を受けないとあります。 またFAQによるとWWW ブラウザとしての IE が起動しなくなっても、iexplore.exe はデバイスから削除されないそうです。その通りであれば問題は無さそうですが、様子を見る必要はあるかもしれません。

Website Explorer のメイン機能である Web サイトの構造解析や、最適化可能な Web サイトダウンロードは、このソフトのために独自に設計したアルゴリズムに基づいていて、ブラウザ表示のためのHTMLレンダリングエンジンとは別物です。MSHTMLが無くても Website Explorer のメイン機能は動作します。

2014年から2015年にかけて、Website Explorer が突然起動しなくなった!とユーザーの間で騒ぎになったとき、原因は Windows Update によって追加されたセキュリティ更新プログラムにあって、該当プログラムを削除すれば Website Explorer が正常に起動することがユーザーの方々によって明らかにされました。これがまさに IE 11 の仕様変更により、Website Explorer 内蔵の Web コンポーネントに不具合が発生したケースだったのです。

セキュリティ更新プログラムを一部とはいえ削除することは好ましくないので、他の解決方法を探ったところ、レジストリの書き換えによって解決することを突き止め、ホームページ上で公開しました(2015年6月1日)。とはいえレジストリをいじることはリスクを伴いますから、それをユーザーに求めるのもどうかと考え、当時開発中止状態だった Website Explorer を数年ぶりに更新しました(2015年7月23日 ver.0.9.9.10 β 42)。

しかし2015年に公開された Windows 10 でも Website Explorer が起動時に落ちるという不具合が見つかり、今回もブラウザに原因がありそうだったので、一時は Web コンポーネントを削除して Website Explorer を作り変えようと考え、実際に着手しました。結局、Web コンポーネントを削除しなくても一部の手直しで正常起動できたので、同年10月5日にリリースしたのが ver.0.9.9.11 β 43です。

前述のように Website Explorer のメイン機能とブラウザのためのHTMLレンダリングエンジンは本来別のプログラムですが、Website Explorer というソフトの中で結び付いています。あるサイトデータを読み込んだ状態でブラウザ上のリンクをクリックすると、Web ページが遷移すると同時に Website Explorer のファイル一覧ペインにおいて選択されたファイルも変化し、もしファイルの置かれているディレクトリが変われば Website Explorer のフォルダツリーでも別のフォルダが選択状態になります。

戻るボタン(◀)で元のページに戻れば、ファイルとフォルダも元の選択状態に戻ります。

Website Explorer の全文検索機能で言葉を検索し、ヒットしたページの1つをクリックすると、ブラウザタブがアクティブになり、ブラウザにそのページが開かれるだけでなく、ブラウザ上部に検索バーが現れ、検索語(黄色で強調表示されている)を1つ1つ確認することができます。

こうしたことが可能なのは、Web コンポーネントを通じて「リンク先に移動しようとしている」「ドキュメントの読み込みが完了した」等々、ブラウザ内部のイベント処理を定義したり、文書の DOM 構造にアクセスしたりできるからであり、これによってWebsite Explorer のブラウザは単にWeb ページや画像などを表示するだけのファイルビューア以上のものになっています。

こうした機能は引き続き保持したいですが、今後のことも考えて Trident から WebView2 API に移行すべきなのか、少し迷っています。そもそも Website Explorer のメイン機能ではない(それ無しでも動作する)もののためにかけるような時間も資金も余力も無いというのが悩ましい所です。

2021/12/01 更新

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